キッツ様はLiquid UIを使用してSAPの UI/UXの改善により、効率化とユーザー満足度の向上を実現しました。


背景

株式会社キッツ様は1951年の創業以来、バルブ及びその他の流体制御用機器の製造・販売で世界18か国に約9万種類の製品を提供してきました。

SAP ERP6.0を導入した際に、約80%を標準で使用し、アドオンを僅か205に留め、1インスタンスで運用し、標準化を図ることで、決算期統合やSCM情報 (生産、在庫、原価状況等)をリアルタイムに把握し、迅速な経営判断を実現しました。

但し、SAP特有の操作性の悪さといった問題が残っていました。キッツ様ではこれらの問題をLiquid UIで解決しました。


問題点

  • 業務に不要な項目やタブの表示による認識の阻害
    • 原因:SAPの標準機能を使用しているため、購買発注登録変更(ME22N)や受注伝票登録(VA01)の画面では使用しない項目やタブまで表示されていました。
    • 影響:業務上不要な項目やタブの表示や複数のタブを遷移する操作が、ユーザーの認識を阻害することにより、入力操作に時間がかかり、誤入力が発生しやすい状況でした。
  • 画面遷移の多さによる操作の複雑性
    • 原因:SAPの標準機能を使用しているため、購買発注登録変更(ME22N)や試作登録(CJ20N)といった1つの業務を完了するのに、複数のタブや画面を遷移して操作しなければなりませんでした。
    • 影響:画面遷移が多いので認識がし難く、時間がかかり、他の人にも説明し難い状況でした。購買発注では購買発注タイプが選択し難く、経費購買を選ぶだけでも間違えやすい状況でした。
  • アドオン画面の操作のし辛さ
    • 原因:購買登録(ME21N)や製造指図(CO02)での例外メッセージを一覧表示するアドオン画面があるが、例外を処理するために別のトランザクション画面で処理する必要がありました。
    • 影響:購買伝票番号やWBS番号といった例外メッセージ一覧のデータを、別のトランザクション画面で処理するために再入力やコピー&ペーストといった煩雑な操作が必要でした。


解決策

  • Liquid UI for SAP GUIは業務に不要な項目やタブを削除して、ユーザーの画面認識を良くすることで、平均して5~7分かかっていた操作を3分程度に短縮しました。試作登録画面(CJ20N)においては20分かかっていた操作を3分にまで短縮することができました。
  • Liquid UI for SAP GUIはアドオン画面も変更可能であり、一覧が表示されているアドオン画面の中で変更する行を選択すると、多くの画面遷移を必要としていた従来の画面と異なり、処理に必要な項目のみを画面の左側に表示するようユーザーインターフェースを変更しました。
  • これにより、ユーザーが認識しやすくなり、購買発注変更(ME22N)と製造指図変更(CO02)で、1日あたりそれぞれ2時間以上、合計で約5時間以上の時間短縮と誤入力の防止が実現されました。
  • キッツ様では、AWS内に設置した、Liquid UI server経由で、HANA Enterprise CloudのSAPに接続しています。
  • スクリプトはSAPのWebリポジトリーに保管され、実行時には、Liquid UI serverのメモリー上で実行されるため、通常のSAPのトランザクションと同等の速度で実行されます。


効果

  • 最適化されたトランザクション:VA01, VA02, VA03, ME21N, ME22N, CO02, CJ20N, アドオン
  • 5部門で年間2,680時間の削減
  • 年間で8,376,000円のコスト削減
  • UI/UXの効率化により ユーザー満足度の向上
  • 半年未満で開発・稼働・開発内製化まで実現

Next Steps

キッツ様ではLiquid UIを販売した伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)様からスクリプト作成のトレーニングを受講し、現在は自社でスクリプトを開発しており、今後は他のトランザクションにもLiquid UIを適用することを検討しています。

また、Liquid UI Serverを使用されているので、Windows PCだけでなく、スマホ、タブレットといったモバイルデバイスでのSAPの使用も視野に入れています。

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